OTO

はじまり

音楽と暮らす

ずっと音楽が好きだった。

幼い頃からピアノを習わせてもらって、中学校で吹奏楽部に入って、高校を卒業するまでの6年間、楽器を続けた。好きなバンドができて、友達や恋人とCDや雑誌の貸し借りをしたり、一緒に歌ったり。好きな人ができたときも、悲しいことや嬉しいことがあったときも、いつだって音楽を聴いていた。幼い頃はよく理解できなかった恋心や切なさも、夢や希望の追い方も、全部音楽から教わったようなつもりでいる。

別に知識的に何も詳しいわけじゃないけど、好きな音楽があって、好きな音楽をやる人達がいる。思春期には、それらに狂おしいほど心を動かされて、彼らの背中を追ったものだけれど、大人になってからは難しいことを考えすぎてしまっているなと思う。

今だって、音楽に身も心も揺さぶられる瞬間を噛み締めたい。その感覚を忘れないために、言葉にしてみる。これからも音楽と暮らしていくための、リハビリみたいなもの。